TfRは多くの臓器で発現
- TfR(CD71)は、正常細胞、例えば、脳における毛細血管の内皮、肝細胞、及び腎臓等で遍在的に発現しており、成熟過程の赤血球では特に多く発現しています。骨格筋、心筋では、TfR(CD71)の発現が特に高く、臓器レベルでサイレンシングが観察されます。
- 他の臓器でも、TfR(CD71)高発現の細胞集団は標的細胞となりえることを考えると、多くの組織が当社の抗体・核酸コンジュゲートの検討対象になります。
- 当社は抗TfR抗体・核酸コンジュゲートで筋組織に核酸を送達できる事を最初に報告しました。
Development of Antibody-siRNA Conjugate Targeted to Cardiac and Skeletal Muscles
Journal of Controlled Release 237, p1-13, 2016.
取り込みメカニズム
- 当社の抗TfR(CD71)抗体(断片)核酸コンジュゲートは、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれたあと、エンドソームから脱出する事ができます。
サイズ
- 当社の抗TfR抗体(断片)核酸コンジュゲートは、毛細血管壁を通過して標的組織に到達・浸透するのに十分に小さなサイズ(直径:3.5-15nm)です。
- 肝臓に多い類洞内皮細胞小孔からしか漏れ出さない大きさのLNP(~100 nm)に比べ、様々な臓器を標的とする事ができます。
- 但し、その大きさは腎臓での排出を免れる事ができる大きさです。
組織浸透性
- 抗体断片(Fab)のサイズは7 nmで、ペプチド(2-4 nm) より大きく、総抗体 (15 nm) より小さいです。また、抗体断片の粒子径は腎臓での濾過限界 (3-5 nm) を上回ります。
- 抗体断片(Fab)は総抗体に比べて小さい分、組織浸透性が高いのが特徴です。
- 下記データから、当社のFab-siHPRTは厚い組織である左心室に浸透し、一様に遺伝子発現を抑制していることが理解できます。